2017年10月17日火曜日

#008 巨大キツネ祭大阪公演の話

2017年10月15日(日)
QB METALは大阪城ホールで行われた【巨大キツネ祭り in JAPAN 大阪公演】に参加した。

本記事は、その当日自分が存在していた【MOSH'SH PIT/L7ブロック】の様子を、主観全開で書き記したものである。


……


ライブ当日、天気は予報通り雨。

外でなかなか身動きが取れないのは難儀だが、雨や寒さ対策は万全にしていたので、それほど憂鬱な気持ちになることはなかった。
13:30過ぎ会場に降り立った自分は用意しておいたレインコートを着て会場周辺を歩き回った。
大阪城公園駅からライブ会場である大阪城ホールまでの道のりには飲食店が立ち並んでいたのだが、その中や軒下で雨をしのぐメイトの姿が目立つ。
自分も一周してから軒下に待避し、その後北陸メイト会の数人と合流し開場時間まで親交を深めた。


PITの集合場所に到着したのは15時半だったか。
丁度L,R1ブロックの呼び出しが始まっていた。
相変わらずやまぬ雨の中。
30分ほど待ったのちL7ブロックの入場時間が訪れた。
チケットやTHE ONE ID、鞄の中身確認、金属探知機などを経て2列縦隊でPITへと歩いていった。


PIT内での位置取りは下手ギリギリの柵をつかんだものの1列目でも2列でも見え方は変わらないと瞬時に判断。
音のバランスを重視し2列目ではあるがPITの右よりに移動した。この判断は良かったと開演後に実感することとなる。
Judas PriestやDragon Forceの曲が流れる中、自らのコンセントレーションは高まっていく。
待つこと1時間弱。暗転。待ち望んだ巨大キツネ祭り大阪公演が、遂に開幕したのだった。


……


五色の狐火が一つになる紙芝居からBABYMETAL DEATHのイントロへと流れる巨大キツネ祭りの様式美。

メイトを戦闘態勢にするのは簡単だ。

オイ!オイ!オイ!オイ!

この4回で即対応。ギアは最大まで上がる。
それは、1速からいきなり5速へとギアを入れるような無茶な話だが、数回ライブに参戦すればもうそういう体に訓練されてしまうのだから仕方あるまい。
今日も安定の、そして最高のBABYMETAL DEATHだということをイントロだけで確信する。
SSAと同様の5連スクリーンに3人が映ると歓声が上がった。
アリーナは平らなので見えづらかろうと覚悟をしていたが、思ったより良く見えた。
今回のスクリーンは配置設計がとてもよくできていると感じた。

BxAxBxYxMxExTxAxL

魔法の9文字を叫び、DEATHでジャンプ!
PITの内部はかなり余裕があるようで圧縮が起こる雰囲気もなかった。
ジャンプを安心してできるのがその証左であった。
またこのPITでは多少位置が変わったところで見え方が大きく変わることもない。
皆それを理解しているようだった。

2曲目ギミチョコ!!、3曲目メギツネを前半にぶつけてくるストロングスタイルなセトリはSSA2日目からの3公演連続。
休む暇も無く続くビート、ずっきゅん!どっきゅん!ソレソレソレソレ!と叫び続ける。
それは混沌だがそれと同時に得られるのは魂が開放される感覚だ。

神バンドソロのイントロで巻き起こる手拍子。
森センセイの手を開いて大きな音で拍手するというアレではないが、
何度もライブに参戦していると、どうすれば大きな音が出るかと自ずから工夫をし始める。
少しでも大きな音でライブを盛り上げようと手を叩けば、それに応えるかのように神バンドの演奏が始まった。

今回のソロで感じ入るのは藤岡神のハーモニクス。
メタルの激しさの中で奏でられる美しさはこれまでの中でも一際だ。
続く大村神、BOH神そして青山神の刺激的な演奏に大いに盛り上がり再登場する3人。
4曲目のヤバッ!の始まりだ。

ここでPIT内にも変化が、自分の隣の男性が少し下がったのか位置取りが変化する。
そこに入り込んできた女性のヤバッ!に対する意識の高さが隣からひしひしと感じ取れるのだ。
サビに入ると振りコピまでし出す彼女に抱く感情はまさにヤバッ!

このままではいけない。

いやまあ、別に彼女が隣の凡夫を意識しているとは到底思えないが、
ここでボルテージの高さで敗北する訳にはいかない。

負けられない戦いがそこにはあった。

自分が勝手に妙な対抗心を燃やしたことは大いなるプラスに作用する。
位置取りの判断がよかったと先述したのはこのことだ。
彼女の振りコピが大きくなっていくのに呼応するように自分のヘドバンが激しさを増していった。

傍目から見れば、スクリーンも見ず音にノリまくる自分の方がよっぽどヤバッ!なのだが、人からどう見られているかなど考えていては始まらぬし、そんな感情など毛頭ない。
自分がするべき最善がヘドバンなのだと信じて、ひたすら頭を揺さぶる。

そんな状況は紅月に入っても続いた。

ズッタンズズタンズッタッズッズターン!ズッタンズズタンズッタッズッズターン!

口ずさみながら音に対して意識を高めていくと、どんどん後戻りの出来ない位置へと自分が歩みを進めているのを実感する。
頭が揺れることで視界が揺れ、目が半開きになり、照明が紅く点灯しているにも拘わらず、光は明滅する。そしてその刹那―


心のリミッター、外れました。


「冷やし中華、始めました。」の売り文句のようにカジュアルに外れた自分のリミッター。
そんな自分の行く先はYes! Change the World!
世界を超え、時を超え、そして未来さえも超えていく。
幾千もの夜を超えてきたSU-METALの歌声、そして神バンドの演奏と一体となった感覚。
それに身を任せるように体をうねらせる。頭をゆする。
こうやって心が開放されたのはこれで何度目だろうか。何度やってもこの境地に到れることに対する幸福感に恍惚となる。
5曲目でのリミッター開放は隣の女性の存在が鍵だった事は間違いなかった。
ライブは周りに一緒に盛り上がる仲間がいてこそだということを再認識する。彼女には本当に感謝しても感謝しきれない。
今日の個人的なハイライト、それは紅月(と隣の女性)だった。


……


6曲目GJ!、7曲目シンコペーション、8曲目META!メタ太郎
大阪城ホールで次々と物語が紡がれる中、L7ブロックは一つの限界を迎えていた。
それは限界というか不足と言うべきか。何かが足りないという飢餓感か。
SU-METALが近づいてきて、そのブロックを直で見れば「てめぇらの本気はそんなもんか!」とお叱りを受けるであろう空気感というか。

このままで終わってほんまにええんか?

そんなことを多くのメイトが思っていたのだろう。


9曲目イジメ、ダメ、ゼッタイ!で満を持してその現状が打破される時が来た。
WOD OF DEATHコールでその萌芽を見せ、ルルルーあたりで横の人間にやや押されたことで確信した。
誰一人としてその意味を分からぬものはおらず、打破したいものは前へ、そうでないものは後ろへと自らの位置取りを移すべく動き出す。そして…

Ah-!

左右から人がぶつかり合いそのままモッシュへと発展。自分も当然その輪に参加しもみくちゃになる。
自分はこれまでPITに数度参加したものの、モッシュの発生しない現場や、発生地点から遠い状況が続きこれまで参加したことが無かった。
それだけに念願が叶った形だ。
予想不可能な方向に押され体勢を維持するのに必死だが、わちゃわちゃすることで高揚していくのは事実。
しかし、体力の無さという現実にも直面し、一度参加しただけで息が絶え絶え。
更にはちょっとモッシュしただけなのに脇腹も痛くなり始めた。
長距離走などしている時にコンディションが悪いとなるアレ。
このタイミングでかと間の悪さと運動不足を呪うが、その後も断続的にモッシュやサークルが発生。
痛いし、息上がっているしで厳しい状況なのだが、ひとたびサークルが発生してしまえばその中に入らないわけにはいかない。
それにサークルに参加していると何故か脇腹が痛くないのだ。
これはもう乗るしかないだろうこのビッグウェーブに!


KARATEのイントロでは十数人で肩を組み、オイ、オイと叫びブロックの連帯感は更に高まりを見せる。
サークルをすれば始めはブロック内の数人だったが、L8ブロック最前の人もハイタッチに参加しブロックを越えた交流が発生。
周辺エリアの高揚感はとどまることを知らない。
間奏では、実際に倒れ役の人が現れ、数人が手を伸ばし助け起こそうとする事案が発生。
シラフでやればただのミニコントになってしまうが、ライブとなれば話は別。
BABYMETALの3人と同じ動きをやることで一体感が生まれ、BABYMETALのライブと言う一つのショーへとのめり込んでいく感覚。
恥も外聞もない。自分も驚くほど自然に役割に応じていた。
反応するというかそれはもはや反射と言えるのかもしれない。
現に自分は中央に向かって"EVERYBODY JUMP!!"と叫び、ジャンプへと身を投じていた訳だし。


11曲目ヘドバンギャー!!
サークルやモッシュには磨きがかかり、ブロックの仕上がり具合はもはやリミッターのはるか先へと解き放たれてしまっていた。
間奏が始まればドゲバンの準備に迷いなくしゃがみこむブロック中央の御一行様。
ここでBABYMETALに捧げる五体投地まで出来るなど感涙モノだ。
全霊を込めたドゲバンでの想いが3人に通じていれば有難い話。
今年の上半期はヘドバンギャー!!が全くプレイされてなかったので、五大及び巨大での復権は個人的に本当に嬉しい。
その喜びをかみしめながら、土下座し、ヘドバンし、叫び、回り回った。


12曲目Road of Resisitance
公演がそして第5章そのものが終幕へと向かう中、L7ブロックもクライマックスを迎えようとしていた。


さあ、時は来た


イジメ、ダメ、ゼッタイ!からつなげてきた狂乱の渦。
その最高にハイな状況をどう締めるのか、その答えを出す刻限が来たのだ。

そのような中、左側男性陣が一人の女性をリフトしようと準備を始める。

サークルの中央に陣取るのか?しかしここはWALL OF DEATH案件。これでは片手落ちだ。
そう察知したのか、右側にいた男性が女性を呼び、肩車。もう1騎が無事完成した。


さあ、時は来た



メギツネ2騎を擁した騎馬戦の始まりだ!!



One! Two! Three! Four!

歓声と共に巻き起こる本日2度目のWALL OF DEATH!!

2人の女性が騎馬の上でキャットファイト(メギツネファイト?)を演じる。
下にいる者はモッシュに勤しみつつ、リフトされた2人が落ちないようにアシスト。
騎馬戦の時に落ちないように身構える体育教師になった気分だ。
イントロが終わりリフトから女性達が降りた後も断続的にモッシュが発生する。
最後の力を振り絞り、輪の中へと身を投じる自分。
疲労はピークに達しているはずなのにハイタッチをする力は強くなっていることが分かる。
周りのボルテージも最高の状態。
ラスト2曲目にして最高に最凶にもみくちゃになった。
そのエリアにいる人の全てがこのライブで解き放った燃える鋼鉄魂によって、L7ブロックはMETAL RESISTANCEを完遂したのであった。


……


いつの間にかTHE ONEが流れている。
SU-METALの歌声に浸りながらライブを反芻する。
最高のライブだ。
BABYMETALのライブに参戦するといつもそう思う。
だが最高ってなんだ?
「最も高い」のだから最高ってのは1つしかないんじゃないか?
確かに言葉の定義としてはそうなのかもしれない。
最高!最高!と軽々しく口にすべきではないのかもしれない。
だがBABYMETALのライブにいたっては「高い」というのにもいろいろな「高い」があるのではないかと自分は思う。

時には肉眼で3人を見ることが出来たという意味で「高い」

時には自分の求めていたものを見つけたという意味で「高い」

時には遠くから音と映像に浸ることが出来たという意味で「高い」

時には周りとの一体感によって全体で最高に盛り上がれたという意味で「高い」

そしてそれはどのライブでも「最も高い」

自分が参加した巨大キツネ祭りを比べてもそうだ。
会場が違うだけでセットリストは全く一緒。演出もほとんど変わらない。

しかし、双方で体感した事、抱いた感情、すなわち登った「高み」は全く違っていたし、どちらも素晴らしく尊い。

だから結局、自分の中でBABYMETALのライブは最高と言う結果で終幕を迎えることになるのだ。っていうかもうそういうことでいいじゃん。

思考停止を多分に含みながらも「最高」のライブに酔いしれる自分。
THE ONEのアウトロが心地よく流れていた。
こうしてMETAL RESISTANCE第5章は静かに幕を閉じた。


……


外に出ると幾分雨は弱まっていた。カッパを再び取りだすのも億劫で生身で外へと飛び出す。
とは言え歩いている途中肌寒さを感じ、風邪をひかないよう物販でパーカーを購入。
元から買うつもりはなかったのだが、最高のライブを見せてくれたチームBABYMETALのご祝儀だと思えばむしろ払い足りないくらいだ。


五大キツネ祭りの時や巨大キツネ祭りSSA公演の時は翌日が仕事ですぐに帰宅する必要があったが、今日は未だ予定がある。
会場前に急遽ねじ込んでもらったアフターパーティ。
その場所でこの感動を共有する仲間が待っている。
自分自身、どのように今日の「最高」な体験を話すのだろう。
そして皆はどのような今日の「最高」な体験を話してくれるのだろう。
そんな事を考えると心が躍った。
夜の街へと歩みを進める自分の足は自然と速くなっていた。




2017年4月30日日曜日

#006 RED HOT CHILI PEPPERS マイアミ公演の話

BABYMETALがまた一つ有難きことを起こした。ある者は「チリチョコ!!」と呼び、ある者は「マイアミの奇跡」と呼ぶ4/30(日本時間)に行なわれたRED HOT CHILI PEPPERSのマイアミ公演はなんというかもう言葉に表せない。そもそも、BABYMETALのやることは基本的に言葉に表せないのだが、それに輪をかけて言葉に表せない。だが、この素晴らしい公演の軌跡を残しておかないわけにはいかない。よって今回も可能な限りであるが書き記していきたいと思う。

この公演の「ギミチョコ!!」の演奏、それは滅茶苦茶なものだったのだと思う。
音楽理論が無い自分に語る資格はないのだろうが、3年以上かけて神バンドのメンバーが作り上げてきた完璧な「ギミチョコ!!」でないのは確かだ。言うなれば今日のそれは狂奏。BABYMETALを知らない者からすれば、なんなのこれ?という混沌。

しかし、最高の狂奏だ。BABYMETAL、神バンドそしてRED HOT CHILI PEPPERS。彼らが地力持っていなければ奏でることのできない狂気のハーモニー。というか宴。そう考えるとこれは狂宴とも呼べるのかもしれない。


RED HOT CHILI PEPPERS。自分が彼らに抱くイメージは常に楽しいこと、面白いことを求め続けてきたバンドというものだ。
ペニスソックスや火吹きヘルメット、電球の被り物など、破天荒なエピソードは枚挙にいとまがなく、パフォーマンスで観客を楽しませようと多様なアイデアを繰り出してくる。

年齢を重ね、バンドメンバーの交代もあり、様々な出来事を経ることで彼らのパフォーマンスの仕方も大きく変わってきている訳だが、常に自分たちが音楽を楽しみ、観客を楽しませるという点でRED HOT CHILI PEPPERSというバンドは一本筋が通っているのではないだろうか。

自分がそう感じる理由の一つは2013-14シーズンのスーパーボウルハーフタイムショーに彼らがブルーノ・マーズのゲストとして出演した時のエピソードにある。

ハーフタイムショーに出演するにあたって、RED HOT CHILI PEPPERSはボーカルのアンソニー以外はテープ演奏でやるようにNFLから要求された。NFLは今やアメリカで最も人気のあるスポーツ。その頂点を決めるスーパーボウルのハーフタイムショーは何千何億もの人間がTVの前で視聴している。そういった点からNFLとしては失敗するリスクを冒すわけにはいかず、先のような通告をRED HOT CHILI PEPPERSへとなしたのだった。

生演奏でライブをやることにこだわりのある彼らとしてはそのような通告は受け入れがたいものであった。しかし、逡巡しながらも最終的に彼らはその通告を受け入れハーフタイムショーに出演した。その時のことについて、ベースのフリーが公開書簡で答えた訳文を一部抜粋すると…



今回のスーパー・ボウルのライヴ・コンセプトの話が持ち上がった時、俺たちの間でもやるべきかやめるべきかで混乱状態に陥ったんだけど、でも、最終的にこれは本当にシュールで、一生に一度あるかないかのクレイジーなイヴェントなんだから、みんなで楽しもうってことでやることに決めたんだ。みんなでやろうと賛成する前には俺たちも時間をかけてよく考えてみたし、それだけじゃなくてそれぞれにもいろいろ話し合ってみたわけで、俺だったら俺が一番尊敬しているミュージシャン仲間とかにも相談してみたんだけど、みんなも自分たちに声がかかったらやるはずだって言ってくれて、むしろこれをやれるっていうのはとんでもないことだし、何も構うことなんかないじゃないかってことだったんだ。




※フリーの公開書簡の全訳文は→ http://ro69.jp/news/detail/96662

RED HOT CHILI PEPPERSにはプライドがある、これまでやってきた生演奏というスタイル対する自負がある。また、ファンはそのようなスタイルのRED HOT CHILI PEPPERSを応援してきたわけだからそれを曲げるとなれば批判が出るのは当然だろう。
BABYMETALでいえばフロント3人だけが生歌で神バンドが当て振りでやるようなもの。デビュー当時の骨バンドならともかく今や神バンドには必要不可欠。BABYMETALが仮に出演するとしても受け入れるのは難しいだろう。

しかしRED HOT CHILI PEPPERSは受容した。それは誇りや既存のスタイル、批判にさらされるリスクよりも面白さ、おかしさ、シュールさ。二度と体験できないようなクレイジーな楽しさが彼らにとって重要なことだったからだ。



実際のパフォーマンスはご覧の通り。

たった3分間の出演だったが、彼らはそのパフォーマンスで存在感を示しハーフタイムショーの歴史に名を刻んだ。



翻ってマイアミ公演である。
そもそもBABYMETALに声をかけること自体がもうすでに異常だ。こんなことを言うとメイトのみなさんに怒られるかもしれないが、デビューして5年程しかたっていない、音楽がクレイジーすぎて賛否両論を招いている、まだ成人になってすらいない東洋の女の子3人組。30年戦士のRED HOT CHILI PEPPERSがBABYMETALに一緒にやろうと声をかけること自体がどうかしているのだ。

そんなどうかしていることが現実となった昨年の12月公演ではどうかしていることが立て続けに起こったのは皆さんの記憶に新しいだろう。そして更にどうかしていることに4月半ばから始まった2度目のサポートアクト、アメリカ遠征。その最後たる4/30(日本時間)の本公演だ。

そもそも種はまかれていた。オーランド公演前、チャドが意味深なつぶやきを見せた。

それは、最終マイアミ公演でチャドメタルが出てくるだけでは終わらないということを匂わすものであった。
メイトの期待は高まった。当然自分もその一人だ。またどうかしていることが起こる。これがワクワクせずにいられようか。

公演当日、自分はチャドの策略にまんまと引っ掛かり朝からテンションが上がっていた。ゆっくり起きても十分視聴可能なのに5時頃に起きてしまったのがそれを物語っていた。

9時からジャック・アイアンのアクトが始まり、BABYMETALは9時40分からの模様。ここら辺は予想通り。TLを追うべく待機し続けた。BABYMETALのアクト開始5分前。なんと白塗りに扮したフリーの画像がアップされた。

まさかのネタバレだったが、直ぐに見なかったことにしようと気持ちを改めた。あれはファンのコスプレか何かだろう。そう思うことにした。もっとも、フリーの白塗りはある程度予想出来ていたというつぶやきがちらほらと見られた。しかし、これがまかれた種の一部だとこの時は知る由もなかった。

9時40分、アクトが始まったがなかなか配信の神が見当たらない。あわだまフィーバーやKARATEの一部を見ることは出来たが全貌を窺い知ることは出来ず、結局一番気になっているギミチョコ!!を生で見ることは出来なかった。

粘り強くPCの前やスマホを見ながら待機する我々の下にまず投稿されたのは写真だった。




はい??神が??7人????


ぱっと見ただけでは理解しがたい写真。どうかしている写真。


意味が分からない。情報が錯綜する。あふれ出る知的欲求。早く全貌を知りたいと新着ツイートが来るたびクリック。そしてF5連打。


そこには白塗りをした神が8人いた。ついでに頭が真っ白になり人の数すら数えることが出来なくなった我々もいた。


訳の分らぬままTLがWALL OF DEATH、サークルモッシュで思考がぐるぐると回転する中、インスタグラムに動画が投稿された。



※↑の動画はYouTubeのもの

そこに映っていたのがまさに狂奏。フロント3人の後ろで荒ぶる8人の神々たちに笑いが止まらない。ニックネームのごとく飛び跳ねるFLEA-METAL、ヘドバンしまくってるJOSH-METAL、パワフルに叩きまくるCHAD-METAL、Too Too Lateで謎の存在感を示すトランペットのNATE-METAL(そもそも誰なのかがはっきりわかるまで結構時間がかかった)。既存メンバーにプラスされた8柱の神による狂宴。何度見ても笑いが止まらないし、滅茶苦茶。

一方、今日は完全に神々のパフォーマンスに喰われてしまったわけだが、フロント3人はよく見ると完璧だった。SU-METAL,YUIMETAL,MOAMETALが3年以上かけて作り上げてきたギミチョコ!!の集大成が発揮されていた。むしろ後ろから迫りくるむせ返るほどの白い熱量を力に変え、RED HOT CHILI PEPPERSを見に来たファンのボルテージを最高潮に導いたのだった。

冒頭で実力が無ければこのパフォーマンス出来ないと自分が書いた理由として、今回のギミチョコ!!はフロント3人の秩序と神8柱の混沌がぶつかり合う構図だったからだと考える。すなわち彼女達が完璧に「ギミチョコ!!」をこなせばこなすほど、そして、神々が「ギミチョコ!!」を滅茶苦茶にすればするほどそこに楽しさが生まれる、見ている側としては最高に盛り上がることが出来るのだ。

そしてなによりもRED HOT CHILI PEPPERSとBABYMETALの両者に共通するのはまさに音楽を楽しんでいること。またお互いがリスペクトしあっている関係であること。それにより双方が双方の為に力を尽くそうとする。お互いがお互いの力で最高のライブをすべくやるべきことをやる。その力と力が間違って融合してしまうような舞台があったとしたら…

その結果はマイアミ公演のギミチョコ!!で示された。楽しいパフォーマンスを追い求め巡業を続けてきた彼らにとって、それが最高に楽しいものになると確信するのは造作もないことだったのかもしれない。もっとも彼らが想像する以上の素晴らしい混沌が出来上がってしまった訳だが。

最高の公演が終わった。ロブ・ハルフォードとのコラボの時も書いたのだが、これがあるからこそBABYMETALを応援することを自分はやめられない。幾つものどうかしていることが重なり、最高のどうかしていることが生まれる。そんな数々の奇跡を起こしてきたBABYMETALに次なる奇跡を期待せずにはいられない。6月のKORNサポートアクト、そしてキツネ祭り、まだ明らかにされていないフェスなど既にドキドキが止まらない状態だ。

最後に今回の公演を演出してくれたRED HOT CHILI PEPPERSとBABYMETAL及びそこに携わったスタッフ。そして、動画を投稿配信していただいたメイトの方々。多くの人の有難き力によって自分はこんな素晴らしい気持ちになっています。本当に本当にありがとうございました!













2017年1月24日火曜日

#005 ガンズ・アンド・ローゼズ神戸公演の話

◆はじめに

2017年1月22日(日)、QB METALは神戸ワールド記念ホールで行われたガンズ・アンド・ローゼズ神戸公演に参加した。

本記事では、この公演への参加を決断するまでの経緯と、オープニングアクトとして出演したBABYMETALのパフォーマンスを見た感想を書き記していくこととする。


◆いかにして神戸に行くことになったか

自分が初めてBABYMETALのライブに参戦したのは9/19のRED NIGHT@東京ドームだった。
皆さんにとってのRED NIGHTはどうだっただろうか?盛り上がった人、熱狂した人、感動した人、感涙した人様々だろう。だがどう表現するのであれ最終的にはこの一言に帰結するのではないだろうか。


BABYMETALは最高だった!



では自分にとってはどうだったのか。

確かにあの日のライブは良かった。素晴らしかった。4の歌といらすとやの融合という着想を与える要因とすらなった。しかし、ガンズ・アンド・ローゼズ神戸公演を体験した今だからこそ言えるが、BABYMETALにとってWORLD TOUR 2016の集大成であるRED NIGHTは、自分にとって最高のライブではなかったのだ。

なぜ自分はあの時最高の気分になれなかったのか考えた。無論BABYMETALは自分達の持ちうる最高のパフォーマンスを披露した。彼女たちが原因であろうはずがない。だとしたらその理由は自分にあることは明白だ。では、自分が物足りないと感じたの事は一体何だったのか…



距離だ。



自分が獲得した席は2階席の中段だった。会場に入った時一番に思ったのは「遠いな…」ということだった。あの位置からでは3人は豆粒でしか見ることが出来ない。四方に巨大なスクリーンはあったが、スクリーンでは自分で見たい時に見たいポイント見ることができないし、スクリーンですら小さく感じた。

結局、距離に対する不満足を自分はそのライブで払拭することは出来なかった。
だが、それは自分がもう少し早くライブに行こうと決意し、いい席を取ろうと積極的に動いていたら、違った結果を生んだ可能性は大いにあった。つまり、自分は自らの手で最高のライブにする機会を失っていたのだ。

次回のライブ参戦の時に同じ轍を踏むわけにはいかない。そこに来たのが12月初頭に発表された、ガンズ・アンド・ローゼズのサポートアクトにBABYMETALが出演するという情報であった。
出演するのは、1/21京セラドーム、1/22神戸ワールド記念ホール、1/25横浜アリーナ、1/29さいたまスーパーアリーナの4公演。席は座席指定(SS~A席が)10,000~15,000円、スタンディング(VIP)が30,000円前後。BABYMETALの出演時間が40~60分と想定される中では破格の値段である上、座席指定とスタンディングでは2倍以上の差がある。その他にも越えるべきいくつかの要因が存在していた。当然あきらめるという選択肢が濃厚であった。


だが、ライブに行きたい…!


11月にライブビューイングでつないだものの、2か月の空白期間を経た自分のロスは想像以上だった。諦めきれなかった。ガンズサポートアクト以外の情報も錯綜し、いくつかの決断を迫られる中で、自分をライブへと後押ししたのは一つのシンプルな事実だった。



「遠い」の反対は「近い」




前回は「遠い」場所だったから満足できなかったのだ。ということは、「近く」であれば満足できるということになる。
逆に、自分がBABYMETALを「近く」で見ることが果たして何回出来るのだろうかを考えた。ワンマンをやればスタンディングエリアは争奪戦で当選する保証はない。白ミサは都会の平日で地方組の自分には難しい。海外も仕事のことを考えるとハードルが高い。つまり今回のガンズ公演はBABYMETALを「近く」で見ることのできる他でもないチャンスだ。
理詰めで考えれば考えるほど、答えは絞られていった。いや、そもそも4公演の中から1つを選ぶという条件の下で選択肢など無かったのだ。


こうして自分は、
一番人が少ない前の列を取りやすいであろう「神戸ワールド記念ホール」の
一番近くで見られる「VIPスタンディング」を選択した。


◆自らが手にした最高の瞬間

学生時代の友人達と歓談を楽しみ、三宮のホテルでチェックインを済ませたのは14:30過ぎ、万を持して会場である神戸ワールド記念ホールへと向かうことに。しかし移動中、ホテルにチケットを忘れるという初歩的なミスを犯したことに気付く。結局Twitter上のメイトさんとの交流もできず、開場時間をやや過ぎた16:05ごろ入場することが出来た。


自分の見るエリアは舞台下手側の前方、既に数十人が場所を確保しており、自分は前から5列目くらいに陣取ることになった。最前を取ることが出来なかったので視界がオールクリアというわけにはいかなかったが、それでもRED NIGHTとは雲泥の差。ステージは目と鼻の先で申し分のない「近さ」だった。

自分の前方に陣取っていた人はガンズのグッズを身に付けた人、BABYMETALのグッズを身に付けた人、特にグッズ等を身につけていない人がちょうど1:1:1の割合に映った。予想以上にBABYMETALを前面に押し出している人が多かった、自分の人見知りな性格もあり、周りに声をかけることが出来ず、特に何をするわけでもなく開演までの50分が過ぎていった。ただ、無言でも安心感があった。自分と同じBABYMETALを愛する者が周りにいるというのは心強かった。


やがて照明が消え、大きな歓声が沸き起こった。17:00定刻通りの開演だ。
染谷歩氏のナレーションが終わり、BABYMETAL DEATHのイントロが始まった。

ダカダダカダダン!ダカダダカダダン!


地鳴りのような音が鳴り響き、自分が振動体の一部と化した。それに呼応するかのように最前の面々が「ヘイ!ヘイ!」と声を上げる。
自分も大声を張り上げながら、「これはいける!」と手ごたえを感じた。
そして、タオルをまとった3人が上手から登場。掛け声がますます高まった。
タオルを外した3人が両腕をクロスさせ構えに入った。そして赤色の照明が白く変わった瞬間、


自分の眼前にいたメイトたちが、凄い勢いでズレた。


まるでジェットコースターが急旋回するかのように、電車が急停止するかのように強烈な横Gがかかった。モッシュの発生だ。3人が照らし出されたことにより、最前ではその興奮が強烈な運動エネルギーとして転化していた。

そのモッシュが起きた瞬間、かろうじてその波から逃れた自分はその隙間から肉眼ではっきりと見た。

SU-METALを。

YUIMETALを。

MOAMETALを。




3人の全身を。3人の全身全霊のアクトが始まる、その開始点を。


肉眼ではっきりと見た。見えた。やった。I DID IT!



自分が3人が見えるほど近い位置に存在していた。それは衝撃的な事実だった。これでまた一段と自分は3人の虜となった。そしてこれまで同じよう体験をしてきた皆さんがそんな3人に惹かれ、圧倒されてきたことを理解した。


すぐに3人は戦闘態勢に入った。荒れ狂う大波のような始まりの中、BABYMETALは名乗りを上げた。



B!



自分は叫んだ!これまで出したことのないくらいの大声でBという1文字を叫んだ!



A! B! Y!



叫んだ! 叫んだ! 叫んだ!




M! E! T! A! L!




叫んだ! 叫んだ! 叫んだ!  叫んだ! 叫んだ!




9文字叫びきった!




その時、自分は到った。




そう、俺はこのBABYMETALのライブでこのように大声で叫びたかった!



自分の周りにいるBABYMETALを愛する者たちと共に熱狂したかった!



RED NIGHTでもう一つ物足りないと感じたこと。それは、周りがあまり大声で叫んだり体を動かしたりしていなかったことだ。その日周りがあまりノリがよくないことで気を使ってしまい、BABYMETALを満足にで応援することが自分は出来ていなかった。だからこそ次は仲間と共に大声で叫びたい応援したい。そう思っていた。




だから、




BxAxBxYxMxExTxAxL!




その9文字叫んだとき自分の目指した目的地に到ったことを確信した。そのことで口元がだらしなく緩んだ。何十種類もの快楽物質が生成されたし、脳内麻薬だって出た。

しかし、BABYMETAL DEATH!はその余韻に浸る暇を与えない。


DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!

DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!

DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!DEATH!

約5分間ノンストップで叫び続けた。1曲目にも拘わらず既に息が上がるほどに体力を消耗した。


2曲目ド・キ・ド・キ☆モーニングが流れた瞬間、大きな歓声が上がった。隣にいた方がおもわず「やった!」と口にしたのが印象的だった。人は予想外の幸運が訪れると感情をあらわにせずにはいられないものだ。

BABYMETALの始まりでもあり、数々の苦楽を共にしてきたこの曲が多くの人に愛されているのを実感した。


3曲目はCatch Me If You Can

京セラドームではあわだまフィーバーだったが今回は奇を衒わずに正統派で来た。

今日の神バンドはLeda神、藤岡神、BOH神、青山神の4人。相変わらず演奏レベルの高さを実感した。藤岡神は地元県だからか気合が入っているように見えた。

最前の熱狂は止まらない。今回はサークル煽りを要求しなかったが、要求していたら出来ていたのではないかと思えるくらいボルテージは高まった。

曲に合わせて自分の首が思わず大きく揺れる。しかし、ここは「近い」場所だと我に返る。3人の姿をもっとこの目で焼きつけておかなければならないことに気付き、必死で3人を視界にとらえようとした。この聴覚と視覚のせめぎ合いはライブの最後まで続いた。


4曲目のメギツネの出だし、いつもより遅く感じた。楽しいことをやっているとあっという間に時間は過ぎるものだが、全身全霊で楽しんでいるにもかかわらず、まだ4曲目なのかという感覚に陥っていた。最高の時間が終わってほしくないと深層心理が駄々をこねているのか、それとも一つでも多くの情報を得ようと無意識のうちに神経を研ぎ澄ませているのか。

相対性理論でさえ説明できないこの不可思議な現象はSU-METALの完璧な歌唱でいつの間にか修正されていった。Crap Your Hands!の掛け声で一斉に手を叩き、1,2,3 Jump!で始まったメイト達の跳躍。ジャンプするタイミングや高さはバラバラだったが心は一つだった。


5曲目KARATE。このメギツネ→KARATEというセットリストの組み方はSU-METALの歌唱力がいかんなく発揮される流れであることに気付いた。その意図を把握しているのだろう、SU-METALは歌いこなす。自分だけでなく皆が魅了されているのを感じた。


KARATEのアウトロから間髪いれずにGIVE MEの声が流れる。6曲目のギミチョコ!!がフィナーレに向けて最強のタイミングで投入された。

ずっきゅん!どっきゅん!とおおよそ成人男性が生涯で口にすることは一度もないであろう単語を叫びながら、やはりギミチョコ!は魔曲だと改めて実感した。曲が流れている間コンマ一秒たりとも静止していることが不可能なこの曲で、ただでさえ高いボルテージが加速度的に上昇していった。

もはやホームであるとかアウェーであるとかそんな事は関係なくなっていた。そこに生み出されたのは熱狂の渦。

渦はBABYMETALが好きかガンズ・アンド・ローゼズが好きかという音楽の嗜好など関係なく全てを飲みこんでしまったのだった。

ふと思った、次にイジメ、ダメ、ゼッタイかRoad of Resistanceが流れれば、もうこの先に待ちうけるのはWall of Deathしかない!自分は覚悟した。

しかし、ギミチョコ!!に存在するはずのないアウトロが流れ始めた。

残念ながら、夢のような時間が終わりを告げる合図だった。しかし、自分にとっては幸運だったのかもしれない。なぜなら体は悲鳴を上げ、息は絶え絶えで、足は疲弊し、少しでも激しい動きをすればつってしまうような状態だったからだ。



We are! 



SU-METALが会場に問いかけた。

自分はその一員として名を連ねることが出来たという喜びを感じながら、応えた。 BABYMETAL DEATHでは1文字ずつだったその9文字が組み合わさり意味を持った。彼女たちの名、そして自分たちの名。その名は。



BABYMETAL!




神戸の地にBABYMETALの名が刻まれた瞬間だった。





ガンズ・アンド・ローゼズ来日公演@神戸ワールド記念ホール

オープニングアクト BABYMETAL セットリスト

1BABYMETAL DEATH
2ド・キ・ド・キ☆モーニング
3Catch me if you can
4メギツネ
5KARATE
6ギミチョコ!!




◆ガンズ・アンド・ローゼズの素晴らしいアクト

See you!


彼女たちに別れを告げ、徐々に熱が収まり徐々に冷静さを取り戻していった。とりあえず水分が足りなかった。会場のすぐ外にある自販機で買ったアクエリアスはあっという間に自分の体内へと吸収された。肩で息をしなくなるまでに20分くらいかかった。



その後ガンズ・アンド・ローゼズのメインアクトが始まった。

仮想セットリストに基づいて何度か聴いただけの自分がこのライブをどのように感じるのは未知数だったので、心配な部分もあったがその心配は杞憂に終わった。

自分が凄いと感じたのはそのタフさだ。2時間半計25曲という長丁場の中で、Axl Roseは何枚もTシャツを買えながら縦横無尽に走り回った。そんな有酸素運動の連続にも拘わらず、彼は疲れを見せることなくハイトーンボイスで歌いきった。

SlashのSpeak Softly Love(God Fatherのテーマ)は圧巻で、皆が固唾を飲んでその演奏を見ていた。人知を超えたものを目撃すると人は絶句するのだということを象徴するシーンだった。

下手側にいた自分はDuff McKaganをパフォーマンスを目にする機会が多かった。Axlから紹介を受けた後披露したNew Rose(The Damnedのカバーがとてもクールだったのがハイライトだ。

Dizzy Reed(key)
Richard Fortus(gt)
Frank Ferrer(dr)
Melissa Reese(key)

全盛期のメンバーではない4人も自分の役割を素晴らしく果たしていた。ガンズ・アンド・ローゼズのメンバーであることに誇りを持ち、アクトを楽しんでいるように見えた。

遅刻魔などと言ったネガティブなイメージは微塵も感じることはなく、レベルの高い音楽集団として今のガンズ・アンド・ローゼズは機能しているように自分には映った。素晴らしかった。

周りのファンの皆さんにも助けられた。当然のことだが、BABYMETALのライブにルールがあるように、ガンズのライブにもルールがある。ルールを知らない自分は、ガンズファンが盛り上がるタイミングで一緒に盛り上がりライブを楽しむことが出来た。本当にありがたかった。

21:00、ガンズ・アンド・ローゼズ神戸公演は幕を閉じた。


◆おわりに

最高のライブだった。突き刺すような寒空の中、三宮のホテルへと戻り、TL思いついたことをそのまま殴り書きした。シャワーを浴びて寝付こうにもなかなか寝付くことが出来なかった。このわが人生で3本の指には確実に入るであろう興奮を、脳が必死で言語化しようとフル回転していたのだ。

なんとか、自分の体験した瞬間を文章にしたい。その意思が自分を今PCの前に向かわせている。


ライブの翌朝、ホテルを後にし車で帰路についた。車内で聴くために持参したBABYMETALのCDをローテーションしながら、日常へと戻るのだ。その冒頭、LIVE AT WEMBLEYの1曲目であるBABYMETAL DEATHのイントロが流れたとき、あの興奮がよみがえってきた。駐車場から車を発進させた自分の口元はあの時と同じように緩んでいた。














2017年1月3日火曜日

#004 BABYMETAL探しの旅 in 台北【後編】

前回に引き続き台北でBABYMETAL探しの旅レビューです。

前の記事をご覧になっていない方はこちらからご覧ください。

次はBABYMETALのメディア媒体を台湾で見つけることが出来るのか探ってみることにしました。ということで…

②BABYMETALのCデロは台湾で売っているのか


1軒目に訪れたのは、5大唱片(Five Music)。台湾では割と大きなCDショップであるという事前情報を得て行ってみることに。

忠孝復興駅から東に300m程進んだ場所に5大唱片、確かにありました。

5大唱片(右奥が入口)
右奥の狭い階段を上がり2階に行くと、


CDが並んでいました。大晦日19時ごろの訪問だったのですがお客さんも割といます。早速日本人アーティストのCDが並んでいる棚を探してみます。すると、


結構ずらりと並んでいます。これは全部日本のコーナー。これは期待大!
ジャケットで目立つのは人間開花ですかねw
あと浜崎あゆみと安室奈美恵がめちゃくちゃ多いです。嵐などのジャニーズ系も多いですね。
中央左にある可苦可樂っていうのはコブクロのことだそうです。


さらに右の方。PPAPが早速売られています。ぶれていて見づらいですが、KAT-TUNや倖田來未、三代目J Soul Brothersなどメディア露出が多いアーティストはやはり強い。ただ流行の時差はあるようで、全体的においてあるCDはやや古いラインナップだなと感じました。




DVDコーナーも充実。ラインナップはCDと似ていますね。
下にはゲーム音楽や久石譲、北島三郎なんてのもあってなかなか面白いです。

ここで残念なお知らせですが、自分が目を皿のようにして必死にBABYMETALの何かが無いかと探したのですが結論としては見つけることは出来ませんでした。



なんなら西洋音楽のコーナーに混じっているのではないかと探したのですが、そこにもあらず1軒目の探索終了。

このまま、2軒目、3軒目と行きたい所なのですが、肝心な問題が浮上。それは台北にCDショップ少ない説。

自分が事前に仕入れた情報が5大唱片だけだった事やガイドブックにCDショップが載っていないことなどもありますが、道を歩いていてもどうもCDショップらしき店の看板が見当たりません。あとはレンタルビデオ店が見つからない。帰国後検索したところTSUTAYA等があるらしいのですが、今回の旅行では見つかりませんでした。
 
そこで、日本のように本屋のそばにCDショップがあるのではないかと考えを巡らせ、ガイドブックに書いてあった大きな本屋「誠品書店 信義店」に行ってみることに。すると…


 ありました!誠品音楽!これは字面的に間違いなくCD売ってる!





中はこのような感じ。本屋のあるフロアの一角にCDショップという配置は日本にもよくある光景ですね。視聴機もあります。

日本アーティストの棚を探してみると…





 日韓流行 Japanese & Korea Popの棚が

 2国一緒くたにされてしまっている…これは少し難しいかもしれません。
 CDは2棚で日韓それぞれ1棚ずつ。




 DVDは1棚。ここに日韓半分ずつ置いてありました。
 結論から言うとここもBABYMETALは無し。ONE OK ROCKは置いてあったのですが…無念。





ちなみに誠品音楽は西洋音楽が充実していて重金属(メタル)の棚がありました。日本と同じで店によってラインナップにはその店の個性が出ますね。ここにも間違ってBABYMETALが置かれているということは無く…無念。


 CDショップをこれ以上見つけることが出来ず探索はこれにて終了。


 ②BABYMETALのCデロは台湾で売っているのか

ですが、残念ながら発見することが出来ませんでした。

今回訪れた2軒の店が台湾の首都台北の街中で比較的大きなCDショップだった事を考えると、BABYMETALのCデロを発見することは容易ではなく、またBABYMETALのCデロ欲しい!という強い欲求を持っている現地の人でなければ購入してもらえる可能性は低いと感じました。

台湾のCDショップに並んでいるのは日本のメディアの露出が多い(多かった)アーティストや実際台湾でライブを行なったことのあるアーティストのモノが多いように思われるので、メディア露出を自発的にせず、台湾でのライブを一回しか行なったことのないBABYMETALの認知度は低いというのが現状のようです。


ここまで、一向にBABYMETALを感じることが出来ずもどかしい状態。ではCデロが駄目なら、本はどうか。BABYMETALの記事が載った雑誌なら売っているのではないか。ということで


③BABYMETALの本は台湾で売っているのか

先ほど述べたように誠品音楽は誠品書店の一角にあるCDショップ。ということでまずは誠品書店を探ってみます。



誠品音楽があった3Fフロア。手前には拉麺とかいう日本を紹介する本がありますねw
写真には収めていないですが、多かったのが日本への旅行ガイドブック。中国語で書かれたるるぶなどのガイドブックはもちろん地球の歩き方まであって驚きました。


2Fに降りると奥の棚が一面雑誌コーナーとなっています。表側だけでも相当な数ですが実は裏側にも置いてあります。これだけあれば一つくらいはBABYMETALの記事が掲載された雑誌が存在するのではと思いますが果たして…?




















やったぜ。
METAL HUMMER 291号をゲット。
海外の音楽雑誌のコーナーに置いてありました。日本人が台湾でイギリスの雑誌を買うという奇天烈な行動ですが、Amazonでは現在売り切れているし、自分の地元の本屋ではまず買えないので思わず買いました。値段は450元(約1,700円)。UKの雑誌なのでこんなものでしょう。
ちなみにKerrang!も置いてありましたがBABYMETALの出ていない号だったので見送りました。


これでBABYMETAL探しの旅 in 台北にも意義を見出すことが出来ました。
 


だがしかし、まだあるのではないか。BABYMETALはそう自分にささやいてくるのです。



ということで元旦の夜、そう皆さんがWOWOWで放映されているBLACK NIGHTで盛り上がっているその頃に自分はもうワンチャンを求めて、台北の街へともう一度繰り出すことに。すると…

 
  
紀伊國屋キター!
 
微風廣場というショッピングモールの中で見つけました。
 
そもそもこの微風廣場ですがユニクロ、無印良品、東急ハンズなど日本企業が山ほど入っていて非常に便利です。



でこの紀伊国屋自体も流石紀伊国屋だけあって右側のスペースはほとんど日本語の本や雑誌のスペースなんです。
 


雑誌も充実していますし、漫画も盛りだくさん。例えば帰りの飛行機待ちの書籍を現地調達なんてことがここにこれば容易にできますね。

さあ果たしてここで戦果を得ることは出来るのか…?
























やったぜ。
Big One Girls No.026とNo.027をゲット。
さっきの写真の棚ではないのですが、アイドル雑誌が売られているコーナー、AKB系が棚を占める中ありました。

時期的にはYUIMETALとMOAMETALがさくら学院を卒業する2015年ごろ。
No.026はBABYMETAL(新春キツネ祭レポ)が4ページとさくら学院が9ページ
No.027はさくら学院が裏表紙+9ページ、武藤彩未が3ページ

新春キツネ祭はまさに3日深夜にAbemaTVでやるのである意味タイムリーですねw

値段は定価1400円+税に対して現地の値段で553元(約2100円)。

父兄さんにとってはなんでもない雑誌かとは思いますが、自分にとっては今から手に入れるにはなかなか敷居が高かったのでこれも縁かなと思い購入してみました。特に卒業間近のYUIMETALとMOAMETALの心境などのインタビューがあるので価値はありました。

ということで歩き通しで棒になった足を引きずりながら行った甲斐はありました。


③BABYMETALの本は台湾で売っているのか

ですが、2店で3冊発見!

②の考察ではBABYMETALは日本のメディアに露出しないので台湾に浸透するのが難しいとしましたが、METAL HAMMERなど西洋圏の雑誌から台湾のメタラーを中心に広がっていくという希望を感じました。またもはや3人は卒業してしまったので難しいですがアイドル雑誌は割と置いてあるのでそういうルートもあるのかもしれません。むしろさくら学院の方が認知度が高まるチャンスがあるのではないでしょうかw


正直なところ、台北にBABYMETALは微々たる成分しかなかったのですが、0ではないということが今回の旅行で分かりました。その微々たる成分の雑誌を日本人たる自分が買ってしまったのはやや本末転倒気味ですが、見つけてしまった以上こればっかりは仕方がないw むしろ日本の雑誌やメタル雑誌が売れることで更に仕入れる量が増えることを期待します。



最後に自分が今回寄った主な場所のリンクをこちらに乗せておきます。

自分はBABYMETAL探しと言う少し変則的な要素を取り入れましたが、台北は旅行の難易度が低く、楽しいのでオススメです。3泊4日程度であれば他の観光地に行かずとも十分満喫できるので是非どうぞ!











2017年1月2日月曜日

#003 BABYMETAL探しの旅 in 台北【前編】


 2016年はBABYMETALが好きな方々を多く関わりを持つことが出来て、とても充実した一年となりました。

台湾桃園国際空港
2017年も引き続きよろしくお願いします。

 実は去年の12月30日から今年の1月2日にかけて家族で台湾旅行に行ってきました。

 今回の旅では台北市内に泊まり、四大博物館の一つとして名をあげられる故宮博物館や中正記念堂、台北101など台湾の有名なスポットを巡ったり、地元の台湾料理をいただいたりと非常にリフレッシュすることが出来ました。




 しかし、BABYMETALメイトとして海外旅行をそんなありきたりなもので終わらせるわけにはいかない…

ということで台湾で少しでもBABYMETALを感じることは出来ないかと考え、自分なりに色々と足を運んでみることにしました。


 今回のは以下の3つをテーマとして台北の街を探ってみました。

①ATT SHOW BOXに行ってみる
②BABYMETALのCデロは台湾で売っているのか
③BABYMETALの本は台湾で売っているのか





①ATT SHOW BOXに行ってみる



 そもそも「ATT SHOW BOX」って何?という話ですが、これは2014年2月2日にBABYMETALが台湾で地元のメタルバンドChthoniCとツーマンライブを行なった場所です。

 台湾とBABYMETALと言えば、完全櫻楽、蛙と言ったキーワードが皆さんは思い浮かぶでしょう。そもそもこのTV出演はこの「ATT SHOW BOX」で行われるライブのプロモーション要素が強いものでした。


 でその「ATT SHOW BOX」は台北101という超高層ビルの近くにあるショッピングモール「ATT 4 FUN」の内部にあるようなので台北101に寄ったその足で行ってみることに。


ATT 4 FUN 地図




ATT 4 FUN 外観



 「ATT 4 FUN」ですが、出来たのは2011年8月と比較的新しい建物のようです。公式HPを見ていただけばわかるように日本のショッピングモールと変わりのないような店舗構成で、むしろGUなどの日本のメーカーも入ってます。言語が中国語というだけで日本と言われても違和感を感じないような光景でした。

 肝心の「ATT Show Box」の場所がよくわからず少し迷いましたが、6Fまで上がると…




ATT Show Box入口


ATT Show Box


 入口を発見。ちなみに1枚目の写真は入場待ちではなく、現地の人が座って休憩しているだけです。

この光景はこの後も割とみることになるのですが台湾の若者は割と地べたに平気で座っていますねw

ともあれどうやら奥に見える入口が8Fにあるライブ会場につながっている模様。

 ここで何かライブが行われているのであれば、どんなつまらないライブであろうがチケットを取って中に入るつもりだったのですが、どうも1月14日までイベントが無いようで残念ながら入場することは出来ませんでした。

 2枚目の写真が受付らしきスペースなのですが、そこにスタッフがいたわけではないので誰かに状況を聞くこともできず、ATT Show Boxに関する追跡に関しては終了となりました。今回自分が見ることのできなかった中の様子は公式HPに載っています。一番下に360度カメラで紹介されているのでどんな雰囲気かを確かめることが出来ます。


 ここからはその当時の様子を動画でふりかえってみることにします。


 実際のライブ映像のハイライトは以下の動画のような感じ。





映像を見る限り、会場は満員でかなり盛り上がっている様子。

最大収容人数が1000人程度と言うことなので今となってはかなりの小箱。当時このステージを見ることが出来た人は本当に幸せですねー


 完全櫻楽に出演した映像はあまりにも有名なので割愛するとして、台湾ライブの対バン相手であるChthoniCのベースDoris Yehさんが東京でBABYMETALと邂逅した時の映像も挙げておきます。
 


 DorisさんからBABYMETALの3人がもらったお年玉の100元札ですが自分も実際使ってきました。


2016年末の為替レートが1元=約3.6円、銀行での両替レートが1元=約3.8元なので100元は約380円。額面としては大したことないですが、ライブの宣伝とはいえDorisさんがわざわざALL LIVE NIPPONに出演するBABYMETALの楽屋まで来てくれたということが大きいですね。


ちなみにこの動画の説明文に書かれているライブ情報を一部引用すると以下の通り。


演出名單:BABYMETAL、閃靈(ChthoniC)
演出日期:2014年2月2日(日) 16:00 開場 17:00 開演
演出會場:ATT Show Box (台北市信義區松壽路12號)
門票發售:華娛售票WalkiE Ticket .
門票售價:強攻票2,000元、一般票1,600元(當天按照入場序號進場)
※強攻票=此票為前兩百號購票者,專供要提早入場掌握情勢、強力佔據前排位置的高戰力族群。



強行票というのは200枚限定で販売された一般票よりも早く会場に入ることのできるチケットだそうです。強行票が約7,600円、一般票が約6,000円。


当日のセットリストが

1 BABYMETAL DEATH

2 ド・キ・ド・キ☆モーニング

3 いいね!

4 ギミチョコ!!

5 おねだり大作戦

6 紅月-アカツキ-

7 Catch me if you can

8 ヘドバンギャー!!

9 イジメ、ダメ、ゼッタイ

10 メギツネ


 BABYMETALは10曲。ChthoniCのパフォーマンスもついてこの価格ですから自分としてはかなりお得に感じます。これを今やるとなれば予定さえ合えば間違いなく見に行く内容ですね。


この一カ月後の2014年3月1日。BABYMETALは2日にわたる日本武道館でのライブを迎えることになるのです。




 長くなったので一度ここで区切ることにします。次回の記事で残りのテーマである

②BABYMETALのCデロは台湾で売っているのか
③BABYMETALの本は台湾で売っているのか



について探っていきます。






それではノシ