2016年10月25日火曜日

#002 「4の歌」の歌詞の話

 私の編集した動画「BABYMETAL 4の歌 (Song of 4) いらすとやver」多くの方に見てもらうことが出来てとてもうれしいです。見ていただいた方、そして感想を寄せていただいた方本当に感謝しています。

 今回の動画編集にあたって、必要不可欠だった作業は「4の歌っていうのはどういう歌なの?」ということを改めて考える作業でした。で、それに基づいていらすとや様の素材で動画を形作っていったわけですが、そこで至った「4の歌」についての考察を少し書き記してみたいなと思い、今回筆を取りました。完全なる一ファンの素人考えではあるのですが、この記事を読んでいただき、「なるほどなー」とか「それは違うな―」とか「4の歌」というものに関して考えていただく一助となれば幸いです。


 本記事では「4の歌の歌詞」について改めて見直し、自分なりに掘り下げ至った考察を記していきます。

 そもそも4の歌自体、歌詞はそんなに多くはなのでざっくりと2つに分けて考察します。

①「1の次は2~」などの数え歌パート

 1からのカウントアップ、7からのカウントダウンで4に収束するパート。このパートを繰り返し聞けばもう1~7は誰でも完璧に覚えられます。

 全体の半分程度の時間繰り返される「よん!よん!」のパートと相まって4に対する親近感がわき「死」などと言った4に対するネガティブなイメージがなくなります。

②「幸せの4~」などの4を連想させる言葉パート

 YUIMETALとMOAMETALが「よん」または「し」で連想したと思われる言葉が並びます。注目すべきはやはり4回中4回ともに使われている「幸せの4 死ぬじゃない4」かと思います。

 この言い回しも実に絶妙で、特に「死ぬじゃない4」というのは様々な解釈が出来ると思います。ストレートに読めば「死ぬ」というネガティブなイメージの否定。「4という言葉を聞くとみんな死というイメージを抱くけどそんなことはないんだよ」と語りかけているという解釈。

 ただ私は、この「幸せの4 死ぬじゃない4」の2つの文言がセットなのではないかと考えました。単純に「幸せの4」「死ぬじゃない4」というメッセージを込めたいのならば順番を変えたり、変化をつけたりしてもいいのではないかと思うのです。

 私が思う、「幸せの4 死ぬじゃない4」。

 
 それは…




「(この世は)幸せの4(なぜなら理不尽に)死ぬ(わけ)じゃない4」。





 人間史は戦争の連続で構成されてきました。食糧、宗教、民族、人種、肌の色、正義、矜持、狂気。戦いが始まる理由は、たくさんありますが、人は人により理不尽に殺され続けて来たのです。しかし、何度も何度も過ちを繰り返し人々は反省します。そしてその反省を糧に、平和な世の中を構築するために様々な知恵を出し、人が理不尽に死ぬことのない社会の仕組み作りを進めてきたのです。
 ここ数十年、ようやくそのような素晴らしい生活環境のもとで人は生きることが出来るようになりました。



突然他国の軍隊がやってきて理不尽に殺されない

反体制的な言葉を口にしただけで処刑されない

宗教的に良くない日に生まれただけで捨てられたりしない



 上記のようなことにおびえなくて済む世の中となったのはそう昔のことではありません。この世の中はとても幸福で尊い。しかし、それが当たり前となってしまった今となっては、その幸せに気づくことがなかなかできません。

 人々が当たり前と思い気付かない、この世界自体が幸福であるという事、そこにYUIMETALとMOAMETALはこういうのです。




「(この世は)幸せの4(なぜなら理不尽に)死ぬ(わけ)じゃない4」



 
 この考え方は甘いのかもしれません。確かに理不尽な死に脅え夜も眠ることのできない紛争地域で暮らすような人は数多く存在します。確かに、単純に明日の食べ物さえ手に入れることが出来るか分からない環境で暮らしている人たちもいます。確かに、国を追われ、暮らす場所のめどが立たず、さまよい続けている人もいます。

 しかしまずは、「(この世は)幸せの4(なぜなら理不尽に)死ぬ(わけ)じゃない4」という境遇に自分たちが置かれていると気づかなければ始まらないのでしょうか。スタートラインに立つことが出来なければ、今も理不尽な死に苦しんでいる人たちに対して、自分が出来ることは何なのかと人を思いやることもできないのではないでしょうか。

 翻って彼女たちは中学生の時に既にそのことにたいして自覚的であった。それだけでなく「(この世は)幸せの4(なぜなら理不尽に)死ぬ(わけ)じゃない4」と4の歌によって伝え、我々をスタートラインに導こうとしている。そのなんと素晴らしいことでしょうか。

 とまあ、ここまで完全に私の解釈というか妄想であるわけですが、私は4の歌に込められた「幸せの4 死ぬじゃない4」のメッセージを自分なりに受け止め、五体満足で、充実した衣食住を得られ、死ぬことにおびえる必要もなく、BABYMETALを応援できる今の環境の幸せを噛み締めているわけです。

 人それぞれ「4の歌」に対する解釈は違うわけですが、「4の歌」は幸せになれる歌。「4」という数字は決してネガティブな数字ではなく幸せの数字。そう思わせてくれる歌詞になっているのは確かではないでしょうか。






2016年7月21日木曜日

#001 APMAs ロブ・ハルフォードとBABYMETALがコラボした話

 自分のバックボーンやBABYMETALとの出会いを語らず、いきなりロブ・ハルフォードとBABYMETALのコラボについて語ろうという無茶苦茶な初投稿になるわけだが、それほどすごいコラボだったので、この件については是非語りたいと思いこうして書きなぐる次第である。

 
 まず、コラボに至るまでに僕がアップした動画を簡単に記すことにする。※今後記された日付や時間は日本時間とする
 7月9日(土)、僕は1本のMAD動画を投稿した。動画を見てもらうよりも、要約したほうが早いので要約すると、「Judas Priest」の「Painkiller」にBABYMETALのライブ映像を合わせて、3人が歌い、踊っているように見せるというものだ。
 「7/18コラボ予想」と称したが、コラボの内容を当てにいくとかそういう意図は薄く、ただなんとなく僕がこういう感じになったら面白いだろうなーというものを自分の出来る範囲で映像化したものであった。
 製作時間は6~7時間。やっつけと勢いの産物であるが、完成品を見て割といいものが出来たと思った。なにより作っている自分が結構楽しんで作ることが出来たし、自分の動画にもかかわらず何回も見て楽しみすらした。
 動画をアップした初日の再生回数はYoutubeで200程度と穏やかな流れだった。しかし、コラボ前日の18日(月)に2chのスレに動画のURLを書き込んだ方がいたようで、コラボ当日には1500程度まで再生回数は伸びていた。



 19日(火)コラボ当日、朝twitter等をみてチェックしていると、リハ映像がアップされていた。そこには「Breaking the Law」に合わせギターを披露するYUIMETALとMOAMETALの姿が。そっちで来たか…しかしゆいもあギターってwと軽い驚きを感じつつ出勤した。ネタバレをくってしまったのは残念だったが、この映像を重大なものと捉えずに午前中を過ごせたことは自分にとって幸運だった。
 
 昼間なんとか時間を作り、PCで動画を見られる環境を整えた。僕が見たときはすでにLIVE中継は終わっており、いい感じでコラボ動画部分がアップされていた。
 1曲目「KARATE」これはまあ普通だ。いや普通ではないんだけど。BABYMETALにとっては平常運転という意味だ。
 紙芝居をはさんで、2曲目「Painkiller」。内容を簡潔に記すのならば「ロブ・ハルフォードとSU-METALがステージ上に並び歌っている」
しかし、簡素な説明とは正反対のカオスがそこでは展開されていた。笑いが止まらない。楽しいし、面白いし、凄いし、訳が分からない。
 それにしてもSU-METALがものすごく楽しそうにパフォーマンスを繰り広げている。僕は、ライブの最終曲(大体はイジメ、ダメ、ゼッタイ)が終わり、演じることから解放され、ライブをやりきった満足感を得ながら、笑顔で「ウィーアー?」と我々に問いかけるその3人の表情がとても好きなのだが、今日のSU-METALは最初からもうそんな感じだった。彼女は重圧とかそのいうものとは無縁で、心底ロブとの狂演を楽しんでいるように見えた。音楽とは「音」を「楽」しむ。そんな単純で根源的なことを彼女はまさに体現していた。僕はそれに心を打たれていた。音を楽しんでいた。
 そして3曲目の「Breaking the Law」でそのカオスは更に加速する。SU-METALの紹介に合わせてYUIMETALとMOAMETALがギターを下げて登場し、ギターを弾き始めた。

hahahaha! なんなんだこれは! やべぇwwww

 動画を見ている最中、多分僕はそんな感じのことしか言っていなかった。
 ただでさえ楽しいし、面白いし、凄いし、訳が分からなかったのに、より楽しいし、面白いし、凄いし、訳が分からない。
 気が付いたら大神がMOAMETALに小神がYUIMETALに近づきギターソロが始まる。いや、カルテットギターとでもいうべきなのか?もうどうでもいい。
 ロブとSU-METAL、大神がMOAMETAL、小神がYUIMETAL、各々が同時多発的に見どころを作り上げるものだから、どに焦点を合わせればいいのかいいのか分からない。しかしそこでは1つの音楽が成立していた。ロブ・ハルフォードが、BABYMETALが、神バンドがこのかけがえのない時間を心から楽しみ、僕を含めて多くの見ている人がそれを楽しんでいたのだ。
 曲が終わりロブが「アリガトウ」と呟き退場。BABYMETALも「SEE YOU!」で退場。夢の宴は幕を閉じた。


 これだよこれ!少なくとも僕はこんなのを求めていたんだ!というライブだった。
この後何度も映像をみて、なんならfancam動画も見て、あの時いったい何が起こっていたのかという事態の把握に努めているが、未だにやべぇwwwというなんの説明にもならない感想しか出てこない。

 僕の予想動画についてだが、確かに「Painkiller」を演奏するという点では正解していた。しかし、僕の予想をはるかに超えてくるあのパフォーマンス。あの感覚を僕はコンマ1秒たりとも映像化することは出来なかった。だから僕の予想が当たったとは言えない。むしろ大外れだ。
 だが不思議なことに、僕が編集したものが、BABYMETALのパフォーマンスの前では取るに足らないものなのだという歴然とした、愕然とするような差を見せつけられたにもかかわらず、僕はその事実に対して負の感情を一切感じることはないのだ。悔しいとかそのようなことを全く思わない。
 むしろ僕の動画を取るに足らないものにしてくれたBABYMETALのその熱量に僕は感動し、興奮し、それを体感できたことを感謝している。本当にすがすがしい気分!

 僕は素人レベルではあるが、何本か動画を作ってきた。MADだけではなくドラマやドキュメンタリーを作り、うまくいった時もあれば、うまくいかなかった時もあった。時に1人で考えにふけり、時に友達やスタッフとあーでもないこーでもないと語り合った。しかし、試しに動画を作ったら差を見せつけられ普通なら打ちひしがれるような状況にもかかわらず、爽やかな気持ちでいることが出来る。こんな感情を抱くことが出来るとは予想だにしなかった。

 BABYMETALという存在は、僕に多くの予想外を投げかけてくれて、それが今の僕にとって生きる活力となっている。
 今回のコラボで僕はBABYMETALが一段と好きになったし、彼女たちを追い続けることで更にとんでもない、凄いものを見ることが出来るのではないかとワクワクしている。